8/26 辻井伸行《自作&クラシック》オーケストラ・コンサート / サントリーホール

2015.09.20 Sunday 23:40
 感想書くのが、だいぶ遅くなってしまいました。
でも一か月近くたった今でも、まだ辻井氏の音が耳に残っているような気分なので、やっぱり感想書きます。

この日は、辻井氏の自作曲のコンサートでした。
自作曲コンサートを聴くのは、去年の12月以来です。
(っていうか去年は、5月頃に、辻井氏単独の自作曲コンサートをやっていたけれど、今年はやらないのかな?)
自作曲でオーケストラが入るバージョンは、初めて聴くので、ワクワクです。

ピアノはいつも通りスタインウェイ。
さあ始まるぞというところで、黒いタキシードの辻井氏が、指揮者と舞台に入ってきます。
今日の指揮者は女性で、辻井氏が女性と舞台に入ってくるのは初めて見たような感じで、こういうのもいいなあと思うのでした。

今日の曲目です。

【第1部】
辻井伸行:
いま日本は
川のささやき
神様のカルテ
マエストロ!
はやぶさ
ジェニーへのオマージュ
コルトナの朝
「美の巨人たち」オープニングテーマ/エンディング・テーマ

【第2部】
ガーシュウィン:
パリのアメリカ人 [室内オーケストラ版]
ラプソディ・イン・ブルー[ピアノ&室内オーケストラ版]


1曲目の「いま日本は」がはじまると、例によって、辻井氏らしい澄んだ、オーラのある音が流れ出すわけです。
ここ最近の辻井氏らしい、芯の通った輝くような音で、「おお、今日も来てよかった……!」という感じになります。
オーケストラはちょっと抑え目で入ってる感じだったかな。

2曲目は、「川のささやき」。
これは昔から弾いていただいてる曲で、何度か聴いているんだけれど。
今回のこの曲は、「音は進化した辻井氏のオーラをまとった音で、弾き方は以前の弾き方」、みたいな感じ。
しかしそれもまたいいのですよね。

ただ、ちょっと優しすぎたような?
でもオーケストラが優しい感じだから、これでいいのかも?

ここでトークが入りました。
「自作の曲をオーケストラと一緒にお届けするツアーは初めてで、とても楽しみです」とのことです。
私も楽しみです☆
ここから3曲は映画音楽です、とのこと。
「「はやぶさ」は、宇宙に行ったことがないので、作るのに苦労しました」と言っていたけれど、、、
辻井氏の音は宇宙から取り出しているのかってくらい深くて澄んでるから、「あれっ。辻井氏って、宇宙行ったことないんだっけ!?」って感じだよね。

3曲目は「神様のカルテ」。
これは、辻井氏がいいのは当然として、オーケストラがすごくよかった気がします。
編曲も演奏も。
そして辻井氏がすごく楽しそう。

4曲目「マエストロ!」は、最初の音が出た瞬間、「おおっ。これは今までのすべての曲と違う!」と思ったほど、かっこいい弾き方をしてくれてました。
っていうか、この弾き方のスタイルが、辻井氏の最新進化形態?
最初から、もうクラクラです。
3月にベートーヴェンの熱情の二楽章でクラクラになったけれど、あれ系の音でもっといい感じで、心の深い所まで入ってくるんですよね。

5曲目の「はやぶさ」も、「マエストロ!」のかっこいい弾き方のまま、素敵な感じでした。
アレンジもかっこよかったです。
絶対、辻井氏は宇宙行ったことあると確信しました(?)。

ここでまたトークが入ります。
このあとの二曲は、海外で作った曲だそう。

6曲目「ジェニーへのオマージュ」は、しっとりときれいで、特に中盤くらいのアルペジオが、「うっわ、さすがにきれいだなあ」とつくづくうっとりな感じです。

7曲目は「コルトナの朝」。
序盤のアレンジがよくて引き込まれました。

ここでトーク。
第二部でやる「ラプソディ・イン・ブルー」を初めて弾いたのは13年前、中学生のときだそうで、今回はそのとき以来の演奏みたいです。
ますます楽しみになってきます。

そして「美の巨人たち」のオープニングテーマと、エンディング・テーマです。
オープニングテーマはピアノソロ。
一音目から魂こもった音で、軽い音のところも魂がこもってる感じで、とてもよかったです。
進化後の今っぽい感じの音っていうか。
エンディング・テーマでは、オーケストラが入って、ますますいい感じでした。

ここで休憩になりました。

なんだか今日の辻井氏はとても楽しそうだなあって思います。
最初にコンサートに行ったとき、辻井氏は他のピアニストと比べると、力抜けててふわっとしている印象を受けたけれど。
でもやっぱり最近は、昔ほど、無邪気にただ楽しいって感じでもなくなって、たとえばショパンやリストのコンサートで、ずいぶん緊張感を持って気合入れて弾いてくれてたんだなあ、と当たり前なんだけれど思いました。
比較すると今日は、昔みたいに──いや、昔も緊張感持って弾いてたはずなのはもちろんだけれど、やっぱり昔みたいに──今日は無邪気に、ピアノが好きっていうのだけで弾いてるって感じで、こういうコンサートもいいなあって思ったのです。

そして第2部に入ります。

オーケストラが「パリのアメリカ人」を演奏した後、辻井氏が再び登場して、「ラプソディ・イン・ブルー」がはじまります。
やっぱりすごくよかったです。
ただ、辻井氏ファンの私からすると、もっと辻井氏のピアノが前面にでてほしかったなあと。。。
最初からもう、クラリネットじゃなくて、辻井氏のピアノで始めてもよかったんじゃないのかと。。。
──というのはファンだから思うことで(笑)、普通に考えると、アレンジかっこよかったです。
辻井氏のピアノが最初に入ってきたときは、どきっとするような入り方で、さすがに素敵でした。

途中で、「アメリカの1920年代はいい時代だった」みたいなテレビのときに流れるようなというか、ホ長調のきれいなメロディーのところがあると思うんだけれど、その旋律はオーケストラがやりつつ、そこへちょこっと入っていく辻井氏の音がかっこよすぎでした。
たったこれだけで、泣きそうにさせるのはやばいなあと。

ジャズらしい辻井氏の弾き方もまた好きで、今回はますます、これまで以上に素敵でした。
たまにテクニカルなフレーズでクラシック的なタッチが入るのも、なんかまたとてもいい☆
たまに「クラシックを弾く人は、タッチがクラシックだからジャズは弾けない」とか言う人がいるけれど、辻井氏はその辺を、今後ますます乗り越えていく気がするかも。
ジャズバージョンの辻井氏にも期待です。

アンコールの1曲目は、辻井氏のピアノソロで、ガーシュウインの「プレリュード第1番」。
これはもうちょっと聴いていたい感じでした。

ここでトークが入ってから、2曲目は辻井氏の「それでも、生きてゆく」。
これもオーケストラバージョンを聴くのは初めてです。
いつもより、ますますしっとりな感じでした。

何度も言ってしまうけれど、今日の辻井氏はとても楽しそうで、なんかこっちも嬉しい感じでした。

ただ、自作曲のコンサートしか行ったことない方がいるとしたら、クラシックの辻井氏のコンサートも聴いてほしいです。。。
また違った、素敵な魅力を感じるんじゃないかなって。

と書きつつ、明日(9月21日)は辻井氏のモーツァルトのコンサートに行ってきます。
私はモーツァルトはそこまで好きってほどでもないけれど、それでもやっぱり辻井氏ということで、もう楽しみすぎてクラクラです。
またレビューします☆
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7/16 辻井伸行 プレミアム・リサイタル≪ショパン≫&≪リスト≫ / 紀尾井ホール

2015.07.17 Friday 05:56
今日は三か月ぶりに、辻井氏のコンサートの日です。
朝からとても嬉しくて、午後も嬉しい気持ちで、紀尾井ホールに着くころには、「ああ、この世に辻井氏が生きてるって、本当にありがたいことだなあ」と謎の感謝をささげていました。

紀尾井ホールに入り、感謝を一通りやり終わったころ、辻井氏が舞台に入ってきました。
今日はチャコールグレイのタキシード、髪は3月のときほど固めてない感じだけれど、なんだかいつもより大人っぽく見えます。
余裕がある雰囲気というか、貫禄がある感じ。
拍手が終わると、今日の辻井氏はあまり椅子を動かさず、わりとすぐに弾きはじめました。


今日の曲目です。

ショパン:
アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ
ピアノ・ソナタ 第2番「葬送」

リスト:
ハンガリー狂詩曲 第6番
ピアノ・ソナタ ロ短調

1曲目は「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」です。
13年年末から14年3月までのツアーで演奏していた曲だけれど、そのときとは演奏全体の印象が違うって感じでした。
辻井氏は、13年夏くらいから14年夏にかけて、現在のバージョンに進化したと私は勝手に思っていて、その勝手な解釈でいくと、前回の演奏は進化の過渡期だったことになるのかな……。

たとえば出だしとか、以前は「きれい〜!」という感じだったのが、今は余韻がお互いに引き立て合うような、奥行きある音で、一言では感想が言えないかもです。
きれいで、深くて、きりっとしてて、しかもふわふわで、見たことのないところへ連れて行ってくれる感じっていう……。

辻井氏はこの曲を、きれいめ&のびのびした感じで弾いてくれるときと、情熱的&攻めの感じで弾いてくれるときとがある気するけれど、今日は前者かもでした。
……なんて考えている余裕も実はなかったほど、演奏が素敵すぎで、途中で例によってぼうっとしてしまい、
「もう何弾いているか分からないけれど、とにかくありえないくらいすごい」
というだけの感じで、──細かいけれど、「ララシラ」を引き立たせるところの弾き方が、なんか好き、とかぼんやり思っている間に、──気付いたら曲は終盤になってました。

最後はCDと同じくらいか、それ以上にスピードが速くて、しかも澄んだ音で、芯の据わった音で、奇跡すぎると思いました。

ハンカチで鍵盤をふいた辻井氏。2曲目の「葬送」がはじまります。
これも、2013年年末から2014年3月までのツアーで演奏した曲です。
しかもあのときも、「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」の直後だったような。

でも第一楽章から、もう前のときと全然違うんだよね。
前のときもすごくよくて、このブログにもそう書いていて、情熱が伝わってくる感じだったけれど。
けどもう今日のは、情熱が伝わるどころじゃなく、いや情熱も伝わるんだけれど、よくわからない大きなすごいものが現れて、客席を圧倒してるような感じでした。

第二楽章からは、聴いているうちに、何か大きくて硬いものが心の奥まで刺してくる? みたいな感じになってきました。
3月の「熱情」のときにちょっとそうだったけれど、今回ははっきりそういう感じです。(逆に、昔の音は、ふわっと心を撫でてくる感じだったような?)
その感触を味わったときに何となく、「辻井氏はもう誰が聴いても世界トップレベルのピアニストなんだろうな」という気がしました。

第三楽章は余韻同士の響き合いが美しかったけれど、これは最近の辻井氏の演奏では、もはや当たり前なのかな?
昔からの艶っぽい音と、最近の深い音が織り交ざって響いて、もうたまりません。

第四楽章は、辻井氏の解釈はやっぱり好きだなあという感じで、でももう少したってからの演奏も聴いてみたいな、というところで終わりました。

ここで休憩です。

トイレを待つ列で、マダム風のおばさまが、
「まあ〜本当に柔らかい音でね! しかも強くてねえ!」
と辻井氏の音を絶賛しておられました。
同感でございますと、心の中で頷きつつ、ふと気づくとトイレの中に、ホールのピアノを調律する音が響いていました。
今日はコンサート始まる前にも、舞台の上で調律やってました。
ライブ録音してたせいかな?
書き忘れていたけれど、ピアノはいつものようにスタインウェイでした。

後半の1曲目は「ハンガリー狂詩曲 第6番」です。
もともと辻井氏は、音が多彩だと思うんだけれど、音の種類がまた三倍くらいに増えた気がします。
なんか高音だけでも五種類はあるよね?(もっとか?)
この曲は、いろんな音色が気持ちよく混ざって、素敵でした。

一昨年の夏に河口湖でこの曲を聴かせていただいたときは、素敵な野外劇場だったんだけれど、すぐ外で花火が響いていて、ちょっと演奏がよく分からなかったので(でも辻井氏は全然花火に動じていなかったけれど)、あらためて聴けてよかったです。

2曲目は「ピアノ・ソナタ ロ短調」。
辻井氏の演奏は、豪華というか雄大というか、格調ある感じが加わりつつあるような?
この前の3月のときの「熱情」でもちょっと思ったけれど、この曲は間違いなくそういう感じでした。
あと、辻井氏の演奏は空っぽい感じが多いけれど、この曲は空っぽい広さもありつつ、水っぽかったというか、しっとり潤っている感じでした。

そして、アンコール。

1曲目はリストの「愛の夢 第3番」。
いつもよりダイナミックな「愛の夢」で、こういうのもいいですよね。
いつもの繊細な感じもあったし。
でもこのダイナミックなタッチで、むしろ「革命」を弾いてほしいなあと思ってしまいました。
辻井氏の「革命」は、誰よりも最高だと思うのです…。

と、「愛の夢」を聴きつつ、「革命」に浮気しているうちに、辻井氏のトークがはじまりました。

「紀尾井ホールは響きがいいので、気持ちよく集中して弾くことができました」とのことで、こちらも何となく嬉しい気分になってしまいます。
そして、「みなさまいかがでしたでしょうか」と言う辻井氏に、客席が拍手して、辻井氏が「みなさまの盛大な拍手にお応えして──」と、次の曲名を言うという、いつもの流れが来ます。
次は自作曲かな。
それとも次で最後なら、そしたらショパン?
と思っていると──
「みなさまの盛大な拍手にお応えして、ショパンのエチュードから「革命」を演奏します」

え? ……え? ……か、革命? えっ……!

というわけで、アンコール2曲目は「革命」でした。
すごく嬉しかったです……辻井氏、ありがとう……。
素晴らしすぎて何も言えないというか、これほど魂に来る「革命」って、ないんじゃないのかってくらいでした。
去年2月の「革命」が今までで最高によかったと思っていたけれど、今日もよかったです…。
辻井氏のエキスのうちの、「艶っぽい」「かっこいい」「きれい」がちょうどよく混ざってる感じでした。
他にも何か秘密のエキスが混ざっているのかも。。。?

終盤で、なんか聴いたことのない不思議な音が響いてました。
なんだろう?
また、辻井氏進化の予感……なのかな?


という感じで、今日もとっても良かったです。
安定して素晴らしいっていう感じでした。

さっき、「辻井氏はきれいめ&のびのびした感じで弾いてくれるときと、情熱的&攻めの感じで弾いてくれるときがある」と書きましたが、だいたい、東京の1日目はのびのびで、2日目は攻めたダイナミックな感じが多いと、勝手に思ってます。
2日目の明日はダイナミック路線かな? なんてね。

明日は行かれないけれど、きっとまた素敵なんだろうなあと思います。
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3/31 辻井伸行 日本ツアー《熱情》 / サントリーホール

2015.04.01 Wednesday 07:44
昨日に続いて、サントリーホールの公演を聴きに行きました。

昨日とても疲れた状態でコンサートに行った私ですが、コンサートを聴いたらものすごくハッピーになって、今日は元気いっぱいでサントリーホールに向かいました。
辻井氏、いつも私を幸せにしてくれて本当にありがとうございます。

曲目は昨日と同じです。

ショパン:
ノクターン第1番
ノクターン第2番
舟歌

リスト:
コンソレーション第3番
メフィスト・ワルツ第1番

ベートーヴェン:
ピアノ・ソナタ第8番 悲愴
ピアノ・ソナタ第23番 熱情

昨日と似たような席ということで、聞こえ方が同じはずなので、音を比べちゃったりできるかな?と思っているうちに、辻井氏が登場です。
いつものように黒のタキシード。
ピアノもいつものようにスタインウェイ。
ピアノに座って、ペダルに足を乗せつつ、充分に椅子を調整してから、演奏が始まります。(昔は座るといきなり弾いてましたよね…? ここ一年くらいは調整してから弾くようにしてるっぽい?)

1曲目は、「ノクターン第1番」です。
相変わらずの、硬質で澄んだきれいな音が響きまくりです。
やっぱり辻井氏のノクターンは色っぽいよね。

昨日より少し分かりやすい感じの演奏かなと思いました。
こういうスタンダードな感じもいいです。
そして、昨日より情熱的でエネルギッシュな感じ。
今日はこの路線になるのかな?とか思いながら思い返すと、サントリーホールの最終日はそういう路線が多い気が。偶然かな。

2曲目は、「ノクターン第2番」。
昨日は面白い弾き方とか、ちょっと他では聴けない的な辻井氏らしい感じがよく出てたけれど、今日もそんな感じです。
でも昨日よりはスタンダードな弾き方かもです。

そしてやっぱり、昨日と同じように、この曲弾いているときは(よく気を付けてみたら1曲目も)、特に表情が凛々しかったです。
そして色っぽい。
ということは、そういう感じなんでしょうかね?

3曲目は、昨日最高によかった「舟歌」。
私としては、昨日は涙がまさに出るというタイミングで、曲が終わったのだけれど。
その続きみたいにして、不思議と今日は最初のフレーズから涙が出てくるんですよね。
このままだと本気で泣いてしまう〜と思い、泣かないように、何度か音から気を逸らさないといけなかったです。

昨日もよかったけれど、今日は華やかでキラキラしていて、ゴージャスな舟歌でした。

そして、ああもうさすがに泣きそう……と思ったときに、どこかの客席からボトルのキャップが落ちるっぽい音が……
でもあんまり集中が途切れなくて、最後まで泣かないように苦労してました。
録音した音を聴くとまた違うのかもしれないけれど、ライブで聴いた印象としては、昨日の舟歌にはラスボス並みの魔力があったけれど、今日の舟歌は魔力っていうのはないかな。。。という感じです。

ということは、この後の別の曲で、魔力が発揮されるはず。
どれだろう?

4曲目は、「コンソレーション第3番」。
昨日は「舟歌」がよすぎて頭がぼうっとしてしまったせいで、直後のこの曲をよく聴けなかったんですが、今日は大丈夫でした。
余韻に音をかぶせて響かせていく感じが、たまらないです。
深く響く低音と、硬くてきれいな高音という、ここ最近の辻井氏らしい(?)組み合わせが美しかったです。

5曲目は、「メフィスト・ワルツ第1番」で、なんか昨日よりまとまっているというか、あまり冒険してないっぽいような……。
でもこの曲を弾くこと自体が、ある意味冒険のような……。
っていうかCDよりもさらに速かったかな?
ただ弾き方は、今日はCDとあまり変わらない感じだったっぽいです。
(ちなみに「舟歌」は昨日も今日も、随所でCDとは弾き方違ってた気がします。)

ここで休憩が入ってから、ベートーヴェンです。
ここまでのところは、なんか昨日の方がいいかな?とか思ってたりしてたんですが……

6曲目の「ピアノ・ソナタ第8番 悲愴」が始まった途端、うわあああ、これはやばい!と思いました。
これに照準を合わせていたのか!?というくらい、もうよすぎる演奏で、第一楽章は私は別にそこまで好きじゃないのに、もう心を持って行かれまくりです。かっこいい。
なんかふとした音が、心臓の奥底まで刺さるんですよね。しかもそれが何回も刺してくる。
もう刺されすぎて心臓が無理、と思ったときに、第二楽章ですよ。

この第二楽章がものすごかったです。
昨日はなんか今一つみたいなこと書いてごめんなさい。
辻井氏らしい、本当に素晴らしい、切なくて美しい、もう辻井氏以外誰もできない演奏でした。
第一楽章がよすぎて、気持ちが盛り上がっていたのを差し引いても、これは素晴らしかったです。
世界で一番厳しい批評家でも絶賛するだろうという感じ。誰だよという感じですが。

そした第三楽章がさらにいいわけです。
昨日も丁寧な感じでよかったけれど、今日はもっと情熱的な感じでかっこよかったです。
かっこいいところへ、たまにフワフワが入ってくるのも昨日と同じです。昨日よりフワフワ少な目で。

7曲目「ピアノ・ソナタ第23番 熱情」が、またよかったです。
音が冴えわたっているというんですかね、第一楽章から素晴らしい。
第二楽章は、ただでさえ神々しい感じの曲なのに、また辻井氏が神々しい弾き方をするものだから、いったいどこまで神だよという勢いです。
第三楽章はもうものすごくかっこいい。
よく辻井氏のことを優しそうとか可愛いとか言う人がいるけれど、演奏を聴くと、むしろ男性的な人じゃないかといつも思うんですよね。
決断力とかありそうだしね。
ぜひかっこいい路線の演奏も極めていただきたいです。
もちろん神々しい路線もね☆

ここでアンコールです。
アンコールは3曲とも昨日と同じです。

1曲目は「ノクターン 第20番 遺作」。
昨日よりさらによかったです。
これは十回近く聴いたと思うのですが、昨日がベスト2で、今日がベスト1ではと思ってしまいました。

ここでトークです。
昨日と同じように、普通のトークはあっさりで、そのあと、「ここで宣伝があります」と。
「4月から毎週母がラジオの番組をやることになりました」「その番組のオープニングテーマをどうしても僕に作ってほしいと言うので(笑)作りました」「「番組の名前の「今日の風、なに色?」は僕が小さい時に言った言葉で、母の本の題名にも使われています」「ええ……まあ……ラジオは……7時15分からですが……(笑) 聴いていただけたらと思います」
会場から何度も笑いが。。。(笑)
そうか、ラジオをなさるんですね。聞いてみようかなあ。
(昨日も同じ内容だったんですが、今日のトークの方が面白かった)

2曲目は、そのオープニングテーマ「今日の風、なに色?」です。
辻井氏作曲の曲らしい、きれいでさわやかな感じ。
辻井氏が弾くからなおさらいいんですよね。

3曲目は「ラ・カンパネラ」で、これもよかったです。
今日はいくらか抑え目というか、もっと派手に演奏しているときもあるから、好みもあると思いますが、私としては今まで聴いた中で今日が1番か2番じゃないかと思いました。

終わった後、何度か挨拶に出てくる辻井氏。
これはもう一曲あるか!?と期待してしまいましたが、何回目かの時に、辻井氏は一礼した後、ピアノの蓋を閉めて会場の笑いを取ってから、舞台のそでへ消えていかれました。
昔は4曲くらいアンコールで弾いてくれたのに……と思いましたが、やっぱり身体を大事にしてもらいたいので、3曲でいいかも。かな。

今日は昨日より、華やかでエネルギッシュな感じ。
私の勝手な感想を書かせていただくと、ベートーヴェンは今日の方が全体的によくて、ショパンは昨日の方がいいかなとか思いました。リストは半々かな。
好みが分かれるとは思いますが、私としては昨日のベストは「舟歌」「悲愴第三楽章」、今日のベストは「悲愴全楽章」(「熱情第三楽章」)でした。

今年はオリンピックコンサートには出演しないそうで、残念です。
七月のプレミアム・リサイタルを楽しみにして、それまではCD聴いてます。
辻井氏、いつも本当にありがとうございます。
元気で、いい春を過ごして、また素敵な演奏を聞かせてください。
 
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