12/3 辻井伸行 日本ツアー《ショパン&リスト》 / 松戸・森のホール21 

2013.12.12 Thursday 17:42
今日の松戸は微妙に遠い感じで、会場に向かう電車の中で「遠いよう……」と音を上げるかと思ったのですが、辻井氏の音がもうすぐ聴けるワクワクで、距離は気になりませんでした。
まあ、新潟とか山梨まで行ったことを考えたら、隣りみたいなものだよねえ。

それはともかく、前回のコンサートからまだ一週間もたっていないのに、また辻井氏の音が聴けるなんて、地球っていい星ですよね〜。
と思いつつ、一方では辻井氏のお疲れ具合も心配しつつ、会場に入ります。

「終演 15時55分予定」、とありました。
ってことは、1時間55分間?
でもアンコール4曲がデフォだし、きっとそれじゃ終わらないよね(ワクワク)という感じで、コンサートが始まります。

今日の曲目も、前回と同じ。10曲。

ショパン:
ノクターン 第20番《遺作》
ノクターン 第18番
アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ
ピアノ・ソナタ第2番《葬送》

リスト:
エステ荘の噴水
ペトラルカのソネット 第104番
愛の夢 第3番
ラ・カンパネラ
イゾルデの愛の死
グノーの歌劇《ファウスト》からのワルツ

(感想で「前回」とあるのは、先週11月27日の多摩でのコンサートのことです)

今日の辻井氏も、黒のタキシード。
もうピンクのタキシードは着ないのかな……。
ピアノはスタインウェイでした。

1曲目は「ノクターン 20番」。
初めの一音目が響いた瞬間、なんか細胞が割れそうにときめきました。
ものすごくしっとりとして、色っぽくて、なんというかもう私好みのストライクど真ん中の音でした。
今日、やばいいい。
って前回もやばかったんですが、前回は、誰が聴いても評価が高いって印象の感じ。
一方、今回は私好みなわけです。

「ノクターン 18番」も、きれいすぎて、たまりません。
細かい音がきれいで、緩急のつけかたが輝くようで、、、フレーズの中の強弱のつけ方が絶妙なんですよ。
いつもよりさらに力が抜けてるのかな? やわらかい、やわらかい、感じです。

次は「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」。
「アンダンテ・スピアナート」も美しすぎ、音が澄みまくりで、もう音の緩急がつくたびに、身体じゅうがゾクゾクします。
辻井氏も、出したい音を軽く出してるみたいな風だったなあ。
「華麗なる大ポロネーズ」は、前回みたいにどちらかというと分かりやすい感じというよりは、穏やかな感じ。
前回は、「マイ・フェイヴァリット・ショパン」のCDに近かったけれど、今回はショパンコンクールのCDに近いかも。
これもこれで、かっこいいんですよね。どっちもいいよねえ。

「葬送」は、今回もイントロが、胸に刺さるような深い音。
この曲は、前の3曲のきれいな音と少し違って、前回の深く響く系の音に近かったかも。
落ち着きすぎなくらいに落ち着いていて、そこがまたよかったです。

この曲に限らず、今日は感情のままというより、感情を抑えて音を出している印象があって、私はそういう音が大好きなので、たまりませんでした。
抑える方が、なぜか色っぽく聴こえるよね。
まったく感情そのままに弾くプロはいないだろうけれど、今日の辻井氏はだいぶ抑えて聴こえていたわけです。

休憩のときに、ロビーで座っていたおばさまたちが、
「まあ、本当に何て素敵な……優しい音」
「私涙が出そうになったわ」
と言っていました。
なんか辻井氏のコンサートに行くと、必ずこういうことを言っている人が、数人はいるよね。
 
で、後半の1曲目は「エステ荘の噴水」。
今日のきれいな音なら最高だろうと思っていたら、あまりに最高すぎて、最初ちょっと耳が痺れたみたいになって、聴けなかったです。
ものすごくきれいで、しかも後半は緊張感も含んだりしてかっこよくて、よかったです。

「ペトラルカのソネット」も、きれいで完璧なんだけれど、なんかちょっと分かりやすすぎるような気も。。。
辻井氏の色をもっと聴きたいな……って、欲張り過ぎでしょうか(笑)。ごめんなさい。
全体のバランスから言ったら、この曲はそのトーンがベストだったのかも。

「愛の夢」は、前回の音より、さらにメロディーが引き立ってる感じで、もう3小節目くらいですでに、ゾクゾクが止まりませんでした。
艶っぽい音の主旋律と、柔らかくて甘い背景、みたいな。
8月にも聴いた気がするけれど、聴くたびにますますきれいになっていく印象です。

次の「ラ・カンパネラ」を聴いて、やっぱり辻井氏の音は最高だと確信。
落ち着いた響きのある音と、緊張感のある音のバランスが良くて、いろんな種類の鐘が鳴っているみたい。
辻井氏のリストって、もともと緊張と弛緩の混ぜ方がすごくいいと思うんですが、今日のはまた、ものすごくよかったです。
この曲のあと、ものすごい拍手でした。
辻井氏が袖に下がったあとも、客席がすごくざわめいていて、私の隣りの紳士っぽい(?)おじさんもため息ついてました。

イゾルデの愛の死」は、また色っぽいというか、艶っぽいというか、っていう感じの音が引き立って、なんか情熱的で胸が詰まるような演奏。

《ファウスト》からのワルツ」も、すごくかっこよかったです。
これは前回の方が自由というか、のびのびした弾き方だったかもしれないけれど、いいのです。

そして、アンコール。
リストが続いた後の引きしまった空気の中で、やわらかくて艶っぽい「ノクターン8番」が始まります。
私はもともとこの曲が大好きなんですが、辻井氏のは、脳の奥底まで貫かれる感じするよね。

ここでトークが入ります。
今日のトークは少なめで、いつものコンサートの定番のトークだけのあっさりな感じでした。
でもそれでも充分です☆

アンコール2曲目は、「それでも、生きていく」。
今日の、やわらかくてしっとりな音での演奏です。
この曲、前回も書きましたが、聴くたびにどんどんよくなるよね。
CDの音とか、一年前くらいにアンコールでやっていたときとかとは、もはや別の曲といっていいんじゃないかって感じ。
美しすぎで、しびれます。

ここで辻井氏が普通に袖に下がり、「3曲目は前回と同じリゴレットくるかな?」「それとも革命いっちゃう?」と待ち構えていたら、周りのお客さんたちが帰る支度を……
いやいや、まだまだ続きますよ、と思っていたら、会場の電気が付きました。

……えっ。
終わり?

…………。
……いやいや、アンコール2曲って、普通に考えたら全然少なくないですよね。むしろ多いか?
絶対4曲来る! とか待ち構えている場合じゃなかったです。
2曲で充分です☆ ……

終演時間は、最初に書いてあった予定よりは少し遅くて、16時過ぎてました。
もしかしたら、会場使える時間がけっこうきっちり決まってて、それでトークもシンプルで、アンコールも少なかったのかな。
辻井氏の体調が悪かったとかじゃないといいけどなあ。

今日はなんだか、辻井氏が自然に音を出してる感じのピアノで、とってもいい気持ちで聴きました。
素敵でした。

年も、いっそうの活躍を祈りつつ、2014年が辻井氏にいいこといっぱいの、素敵な年になりますように。
あっ。
もちろん、読んでくださった皆様にとっても、最高の一年になりますように。
category:コンサート感想 | by:reinacomments(3) | - | -
Comment
もう一度、 こんにちは。 アメリカから~ 私は辻井伸行くんのファンです。
Please forgive me for not being able to write in Japanese.

Thank you so much for your blog devoted to the performances of Mr. Tsujii. I really enjoy it. I appreciate very much the detailed descriptions of every track performed. I agree, there is something 色っぽく about the sound of his piano.

I am very impressed that you went to the recital twice and then took your time to write about each experience. I too have attended his performances more than once and I too feel that it is only after attending a repeated performance that I could evaluate the performance fairly.

Thank you again and I hope you will keep up with the good work. I will be visiting your blog in the future.

どうもありがとうございました!
もう一度、 こんにちは。
I want to mention that except in Tama on November 16, Tsujii-san has been playing the same two songs for encore everywhere on this tour. This is not typical of him. I wonder if it is because the recital program is already so demanding that playing many encores was too much for Tsujii-san, or too much for the audience. I am a little concerted about that as well.
Thank you so much for your cool messages. I’m sorry for not getting back to you sooner.

記事を読んでいただいて、そんな風に言っていただいてありがとうございます。
すごく嬉しいです。
そう、色っぽい感じしますよね(笑)。やっぱり。

実はこの同じツアー、明日も行きます。
また感想書きます。

それから貴重な情報をありがとうございました。
そうですか。このツアーは多摩のとき以外は、アンコールは2曲だったんですね…。
確かに本編のプログラムが結構重いから、too muchじゃないかっていうのは分かります。
特にアンコールにまだリゴレットやってくれるとか…! 嬉しいけど☆
あんまりギリギリまでやってくれちゃうと心配です。
これからも長く弾き続けてほしいから。まだ若いですけど、それでも。

またよかったらコメントくださいませ。
  • reina
  • 2014/03/27 8:42 PM








   

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