9/2 辻井伸行 音楽と絵画コンサート / 東京芸術劇場 コンサートホール

2016.09.05 Monday 00:26

今日は、1ヶ月ちょっとぶりで辻井氏のピアノが聴けるので、もう昨日から、いや先週からワクワク…。

しかも今日は演奏中に、絵とか写真を見せてくれる企画らしいのです。

どんな感じなのかな?

 

今日の辻井氏は、タキシードの上着なし的な、ラフな感じで現れました。

サスペンダーがオシャレな模様で、靴はちょっとキラキラした感じのやつです。

「あの靴で、あの魔法のようなペダルを……!」

と思っているうちに、演奏が始まりました。

 

前半は自作曲、後半はドビュッシー&ラヴェル&ショパンということで、今日の曲目です。

 

<第1部> 

美の巨人たち オープニング・テーマ  
川のささやき
ロックフェラーの天使の羽
セーヌ川のロンド 
風の家 
ヴェネツィアの風に吹かれて
コルトナの朝
ジェニーへのオマージュ 
美の巨人たち エンディング・テーマ

 

<第2部> 

ドビュッシー: 
2つのアラベスク

月の光

ラヴェル: 
亡き王女のためのパヴァーヌ
水の戯れ

ショパン: 
バラード第1番
英雄ポロネーズ

 

1曲目の「美の巨人たち オープニング・テーマ」の最初から、艶っぽいキラキラとした、辻井氏らしい音が響きわたります。

「自作曲のコンサートのときの辻井氏って、いつも、最初の一秒目から本調子だよね〜」と思いながら聴いているうちに、今日の音の素敵さは、今までにないほどまぶしい。。。と気づきました。

今年行った中で一番好きだった、3月のサントリーホール1日目、そして2月のオーチャード2日目に匹敵する、やばすぎる、金縛りにあっちゃうような音が、普通に響いてきます。

 

うっとりしているうちに、2曲目の「川のささやき」がはじまります。

何回も聴いた曲だけど、別の曲みたいに、音が輝きまくってる…!

「何だろうこれ、…ホールのせい?」と思ったけれど、東京芸術劇場が、サントリーやオーチャードやオペラシティなんかより、飛びぬけて抜群に音響がいいということも、まあ、ないといったら失礼かもしれないけれど、まあ、ない、よね?

とすると、、、?

「そっか…2月のときも、3月のときも、辻井氏の本当に出したかった音はこれだったのかなあ。。」と、思ったり。

 

トークが挟まって、3曲目は「ロックフェラーの天使の羽」。

「ああ、今までの素敵すぎる2曲すら、ウォーミングアップに過ぎなかったんだな」と気がつく感じで、ついに今日の辻井氏の魔法が全開に。

もともとこの曲って、昔は、きれいな儚い系で聞かせてくれてたけれど、全然変わってる…!

オーケストラがやってるのかなと思うくらい、華やかで、厚みがあって、しかもキラキラに輝いている音で、すごすぎ。

今までも、曲によっては辻井氏の音はすごく華やかで、昔の録音でも「スケルツォ2番」とかそうだったけれど、今日は、今までそこまで華やかにも聞こえなかった曲まで、なんかずっと続いてきた歴史ある王宮みたいに、重厚でしかも華やかな感じに聞こえるんだよね。

 

4曲目は、「セーヌ川のロンド 」。

そういえば、去年は、

「昔作った自作曲は、やっぱり弾き方が、辻井氏の進化後の弾き方じゃなくて、昔の弾き方だな〜。でもそれもいい〜」

とかこのブログに書いていたんだけれど、先々月の7月のコンサート「THE PIANIST!」のとき、すでに

「おお! 昔の曲も、今の弾き方と今の音になった!」

と思っていて、、、もう今日も、昔の(少年っぽい)辻井氏の弾き方はまったくなくなっている感じでした。

 

ここで再び、トークが入ります。

今日の演奏があまりにすごすぎて、トークが普通すぎに聞こえます。

「まあ、そりゃ普通だろ?」って感じかもだけれど。

 

5曲目の「風の家 」も、いつもにも増して素敵で、音がとろっとしてる感じ。

6曲目「ヴェネツィアの風に吹かれて」も、7曲目「コルトナの朝」も、芯がしっかりしてるのに繊細な音で、やっぱりすごくきれい。

 

トークを挟んで、8曲目「ジェニーへのオマージュ」。

途中のところのアレンジがいつもと違ったのかな? 今日のが一番素敵だったかも。

9曲目「美の巨人たち エンディング・テーマ」で、前半が終わって、後半にうつります。

 

あれっ。

でもこんなに前半がものすごくよくて、後半もこんなによかったら、観客全員が発狂するよね?

大丈夫だろうか、と心配しながら、後半です。

後半の辻井氏は、タキシードの上着的なのを着用して登場です。

 

最初はドビュッシー、1曲目は「アラベスク1番」です。

これ含む今日のドビュッシーの曲の「夢」以外は、2012〜2013年のツアーで聴かせていただいて以来かもだけれど。

あのときのフワフワしたきれいさや透明感を残しつつ、芯のしっかりした音が響いて、細かい音や余韻まで輝いている感じ。

前にはあまりなかった強さみたいなのが、今日の演奏ではすごい感じれて、癒し系の曲なのに、すごくかっこいいのですよね。

CDの「月の光」に収録されているのはちょっと昔の録音だけれど、この今の録音も欲しいなあ〜。

 

2曲目は「アラベスク2番」です。

今日はピアノの後ろのスクリーンに、ずっと絵や写真が映し出されているんだけれど、辻井氏の演奏に夢中になってて、このときまであまり見ていませんでした…。

この曲のときは、ドガの絵が映されていて、その取り合わせがいい感じ。。。

それでまた辻井氏はこの曲をすごく華やかに弾いてくれて、「おおっ、これこういう曲だったんだな〜」と発見をいくつもさせてくれました。。

 

3曲目は「夢」。

これも3年前の8月に聴いたときや、CDとは違って、とにかく身体が震えるような音なんだよね。

ただの夢じゃなくて、何層にもいろんな夢が重なってるというか、、、

やっぱりオーケストラを聴いてるみたいに厚い感じの音でした。

 

4曲目の「月の光」は、昔の演奏やCDでもとても素敵だったんだけれど、それ以上でした。

ほんの一音でも聞き逃したらもったいない、とか思っちゃうレベル。

しかも解釈がちょっと面白いとこもあったりして、辻井氏らしさも出てて最高です。

 

このあとからラヴェルで、5曲目は「亡き王女のためのパヴァーヌ」。

辻井氏のデビューアルバムに入っている曲だけれど、これを初めて聞いたときの衝撃は忘れられないです。

こんなに心を震わせる演奏があるのかと思いました。

遠くで鳴っているような音と、近くで鳴っているような音と、あとは晴れの音と雨や雷の音まで、全部聞こえるような感じなんだよね。

今日も素敵すぎで、身体中がしびれました。


6曲目の「水の戯れ」も、辻井氏の演奏は大好きで、たまりません。

いい感じで面白い弾き方もしてくれて、好きです。

今日の演奏はかっこいいのと、きれいなのがちょうどよく混じって、それが華やかな感じで結晶してるよね。

 

というところへ、7曲目。

「かっこいい」も「きれい」も、どちらも引き立つ「バラード一番」です。

 

私はこの曲って今までずっと、「別に嫌いでもないけど、そこまで好きでもないよね」くらいの感じだったんですが、辻井氏の3月のサントリーホール1日目の演奏を聴いて、大好きな曲になってしまいました。

(2日目のも王道っぽくてよかったけれど、1日目の演奏の方が私は好きだったかも。。。?)

それで、あらためていろんなピアニストの演奏を聴いてみたんだけれど、普通にどれも素敵と思いつつも、

「いや、やっぱり辻井氏の演奏じゃないとダメかも〜!」

という結論に至り、辻井氏がこの曲で観客にかけてくれる魔法を楽しみに、今日は来たのです。(いや、もちろん全部の曲を楽しみにして来たけどね)

 

……けど、そんな風に期待しすぎると、かえってよくないんじゃないのかな…。

いやいや、そんなこともないよ、期待しようよ……?

と、心の中で葛藤しながら、期待を高めたり低めたりしていると、ステージがなぜかこの曲だけ暗くなり、「おお、やはりこの曲がメインディッシュですか…!」感が。

 

一音目が出たところから、もうクラクラでした。

この曲の「度を外れて素敵だった」加減は、もうどう説明していいのか分からないけれど、すべてがもれなく、素敵すぎでした。

ものすごく細かいところまで作りこんである、神の作品、みたいな印象の演奏。

もともと、見せ場なメロディーがずっと続くような曲だと思うんだけれど、その一つ一つの見せ場が全部、胸をときめかせるような感じで演奏されていくんだよね。

しかも、たっぷり余裕のある感じの演奏。

発狂するくらいかっこよかったです。

っていうか、ちょっと発狂してたかも。

ああ、辻井氏のファンで良かったなー、私は幸せだ、と心から思いました。

 

できればこのまま、バラード二番も、あと四番も聴きたいところです。

 

という感じで、次の「英雄ポロネーズ」が始まっても、「もうバラードよすぎたから、英雄はどうでもいい」くらいに頭がぼーっとしていたのですが、すぐに「うおおっ?」というかっこいい音が。

これも三年前に聴いたときとかは、ところどころで少年っぽい音のところがあったけれど、大人の深みが出て、それがもともとの辻井氏の音の華やかさとか美しさを引き立たせてて、なぜこんなに音が輝いているんだろうというくらい、すごくよかったです。

しかもかっこいいんだよね。

 

で、アンコールです。

かっこいい流れで「革命」が聴きたいけれど、エネルギッシュな曲がつづいたから、静かな曲で来るかな。。。

と思っていたら、アンコール1曲目は、ショパン「ノクターン20番」。

よくアンコールでやってくださる曲ですが、今日の音はいつもより強く魔法がかかっていたのかなあ。

きれいすぎで、もうこのあたりでだんだん、人間が出している音とは思えなくなってきました。。。

 

ここでトークが入りました。

「みなさんが集中して聴いてくださったので、気持ちよく弾けました」

褒めてもらいました(笑)。

昔から、たまに辻井氏、こうして褒めてくれるよね。

東京芸術劇場は、ソロで演奏するのは初めてだそうです。

あと、3日放送の「さんまのまんま」に出演するとのこと。

ここに記事がありました)

他にも2本番組出るらしいけれど、まだお知らせできない、、、と言ってました。。。

 

2曲目は、「真田丸紀行」で、生で聞けて嬉しかったです。

 

3曲目の「ラ・カンパネラ」も、アンコールでよくやってくださる曲で、この曲に興味なかった人(私)でもつい好きになってしまったくらい常にいいのですが、今日のは段違いに素晴らしく、かっこよかったです。

 

辻井氏は、音に、どんな魔法をかけてるのかなあ。。。

それに今日は、辻井氏らしい音とか解釈とかを、遠慮なく追及してる「攻め」の演奏で、そこもすごく好きでした。

ますます辻井氏らしさがいっぱいつまった演奏を聴きたいです。

 

それにしても、私、辻井氏と同じ時代に生まれてよかったなあ。。。

次のコンサートは、11月。

こんな素敵な音が、年に何度も聞けるって、すごいことだよね。

辻井氏、ありがとうございます。

また楽しみにしています。すごく。

category:コンサート感想 | by:reinacomments(3) | - | -
Comment
Once again, thank you very much for a great blog post! It's so good to know that Tsujii-san continues to be admired in Japan.
どうもありがとうございました.
 「風の色」のブログ、いつも大変楽しみに拝見しています。しばらく、書き込みがなかったのでどうしたのか心配していました。しかし、元気な様子に安心しました。
 辻井氏の今回の演奏は私がいままで知ってた彼の音異なり、粘性と艶のある心を溶かすような音なのではないでしょうか?
 なかなか、あそこまでの音を出せるピアニストもいないのではないかと思うのですが、「風の色」さんいかがお思いでしょうか?とにかく、私も行きましたが夢のような時間を過ごした、ということは言えると思いました。
  • Harimao
  • 2016/09/15 4:15 PM
> Liu-san
Thank you so much for your kind message!
I believe that he is much more admired than before:)

>Harimao さん
メッセージありがとうございます。
そうですよね、前にも増してますます素敵な演奏をなさるようになって、ますます今後が楽しみです(笑)。
  • reina
  • 2016/11/08 5:30 AM








   

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