3/28 辻井伸行 日本ツアー《ショパン・リサイタル》 / サントリーホール1日目

2016.03.30 Wednesday 06:03
「今日は、雨の予報だったのに、なぜかいい天気になってる……!」
「ううむ、辻井氏はそういえば、何となく「晴れ男」属性な感じがするよねえ、、、」
とか、わけのわからないことを考えつつ、ワクワクでサントリーホールに向かいました。

今日の辻井氏は、2月と(たぶん)同じ、ちょこっとオシャレ目なタキシード。
ピアノはいつものように、スタインウェイです。
ピアノに座ってから、ずいぶん慎重に、椅子と自分の座る位置を調整していました。
昔はわりとすぐ弾いてたけれど、最近は(オーケストラとの共演のとき以外は)こんな感じみたいですね。

さて、今日は、オール・ショパン。
今日の曲目です。

【3つのワルツ 作品34】
ワルツ第2番 変イ長調 作品34の1
ワルツ第3番 イ短調 作品34の2
ワルツ第4番 ヘ長調 作品34の3

【12のエチュード 作品10】
第1番 ハ長調
第2番 イ短調
第3番 ホ長調「別れの曲」
第4番 嬰ハ短調
第5番 変ト長調「黒鍵」
第6番 変ホ短調
第7番 ハ長調
第8番 ヘ長調
第9番 ヘ短調
第10番 変イ長調
第11番 変ホ長調
第12番 ハ短調「革命」

【4つのバラード】
バラード第1番 ト短調 作品23
バラ―ド第2番 ヘ長調 作品38
バラード第3番 変イ長調 作品47
バラード第4番 ヘ短調 作品52


1曲目は、「ワルツ第2番」。
けど、1曲目はじまってしばらくは、さすがの辻井氏もまだ調子出ないだろうから……
とか思っている暇もなく、もう、最近の辻井氏の演奏の魅力をすべて詰め込んだような、凛としたきれいな音が響きはじめます。
特に、高音の装飾っぽい音が、もう脳を直撃してシビれさせる感じで、最初からクラクラしてきます。

私の偏見かもしれないけれど、辻井氏のピアノソロのツアーの、東京公演の1日目って、今までは、柔らかいフワフワ系で演奏されることが多かった気がするんですよね。
それで、2日目がかっこいい系だったり。

でも今日は、1日目にも関わらず、最初からかっこいい&美しい路線みたいです。
聞いていて、辻井氏はますます大人になったのかな、って気が──
とか思っている間に、2分すぎくらいからかな、いよいよ辻井氏が乗ってきて、もうすごいとしか言いようのない、ますます素敵な演奏になっていきました。

私たちから見えないところ(聞こえない音??)も全部、辻井色にちゃんと塗りこめているような感じで、だからまとまって聞こえて、「ああ、まさにこれは世界レベルの音だなあ……」と思ってしまいました。

2曲目は、「ワルツ第3番」。
第二次進化(私の考えでは去年末くらい)後の辻井氏らしい、緩急の付け方と、リズムの取り方と、周波数(?)で、ありえないくらい気持ちいい感じでした。
かっこいい系でありながら、辻井氏の、夢の中に引き込んでいくようなタイプの音もますます冴え渡って、うっとりとしか言いようがないです。。

3曲目は、「ワルツ第4番」。
これは、CD「ショパン・コンクール 2005~ショパン作品集」で、何度も聴いたからなあ。。。でも当時でなく今の辻井氏の音だと、ちょっと違うかもなあ。。。?
──とかのんきに思っていたら、もう、全然まったく違いました。
音質そのものが違うような感じで、CDのときも素晴らしかったんだけれど、そこからレベルがいくつも上がってしまったような感じでして。
音が、芯の通った輝きみたいなのをまとっていて、キラキラしていて、しかも芯の強い輝きなのです。
すごすぎ。

ワルツが終わったところで、一息つくと、会場の雰囲気が、教会とか大聖堂みたいな雰囲気になってる…!
辻井氏のパワーのせいか!?

そして、エチュードに入る前に、意外にも辻井氏のトークが入ります。

「みなさま今日はお越しいただきまして、ありがとうございます」
いいえ、こちらこそ☆
って、普通のトークか?
「次はショパンのエチュード。(エチュードの説明をしてから)全12曲を、一つの流れで弾きたいと思っています」
おお。。途中で拍手をしてくれるな、という話ですね!
「途中で、……拍手をしてしまいたくなるときもあると思いますが、──」
うふふ。
観客のみなさんも笑っています。
もちろんありますよ☆
「どうしてもしたくなってしまったら、しょうがないですが、できれば──終わってから──」
先生、了解です☆ 我慢します!


という感じで、エチュードがはじまりました。
エチュードも全曲、「感動のショパン~ヴァン・クライバーン・コンクール・ライヴ」で何度も聴いているけれど、それでも今の辻井氏が弾いたら、だいぶ違うんだろうなあ。。。
全然違うピアニストが弾いてるみたいだったりして(笑)

で、第1番がはじまったら・・・
本当に、全然違うピアニストが弾いてるみたい……!!
って、やっぱり緩急みたいなのとか、辻井氏の内側に脈打ってるリズムの拍みたいなのは変わらないんだけど。
音が輝いていて、それが辻井氏の熱っぽいオーラみたいなのを通して、こっちに伝わってくる感じっていうか。
寒気が止まらないわけです。
しかも、「1番からこんなに飛ばして、大丈夫なのかな……」というくらい、激しくて情熱的。
美しすぎで、やばい、早くも拍手しそうです。
この曲は「滝」って名前で呼ぶ人もいて、「これ滝かなあ??」とずっと思っていたけれど、確かに滝です、辻井氏教えてくれてありがとう。。。

第2番は、ちょっとあまり記憶にないんだけど、とにかくほぼすべての曲が、CDのときに比べると何倍も輝いていたのは間違いないです。

第3番 「別れの曲」も、もちろん良くて、、、情緒的なところとか、辻井氏は感情を抑えた感じで表現するんですよね。そこが素敵。
去年の悲愴の2楽章も、そんな感じで弾いてて、やはり素敵だった覚えがあります。

で、「別れの曲」は、2、3年くらい前かな、アンコールでよく弾いてくださいましたけれど、そのときとも全然違う感じでした
テンポがゆっくりで、中盤はますますゆっくりに聞こえて、なんか重厚な感じすらしたなあ。
私はこの曲は、あまりゆっくりな演奏のは、今までは好きじゃなかったけれど、今日を境に、「ゆっくりな方が全然いいよね」って風に変わりました。。。

第4番、これは、辻井氏のCDを聞いて大好きになった曲です。
他のピアニストよりも、ずっとずっとかっこよく弾いていて、、、これも今日は、CDとは違う感じで聞かせてくれるのかな?
と思ったら、これはCDのときとほぼ同じ解釈で弾いている気がしました。すでに完成形だったのか!?
でも今の辻井氏の音だから、もうかっこよさがやばすぎで、ちょっと「影」を思わせるところもあったりして、いいんですよね。
艶っぽい系のかっこいい感じ?
「ほかのお客さんも、みんなやられてしまったに違いない」と思っていたら、曲が終わったあと、拍手をしてしまった人が……!(笑)
だよね〜。分かります。

第5番 「黒鍵」は、私はずっとエチュードの中では好きな曲じゃなかったんですけれど、今日聞いたあとでは、「うわ、これ、素晴らしい曲ですよね?」と普通に思いました。

第6番は、静か系なのだけれど、昔の辻井氏のように、ひたすらきれいに仕上げるのではなくて、、、面白い解釈で弾いてる? と思った気がします。
いろんな濃さの影が見える、みたいな。

第7番は、なぜか涙が出そうになった気が。
これがよかったというよりは、今まで素晴らしさの積み重ねが、ここであふれたという感じかもしれないけれど、なんだか感情をすごく揺さぶるような弾き方だったかも。

第8番も、面白い解釈だと思ったけれど、どう面白かったのかちょっと覚えてないです。。。
ラストがかっこよかったです。

第9番も、心地いい感じで美しかったです。
辻井氏に任せて預けておけば、心地いい世界に行ったままになれる、みたいな謎の信頼が生まれる感じ。
魂の迫力?みたいのを感じる弾き方だったかも。

第10番も、辻井氏の美しい音に、頭も心も預けたまま。

第11番は、もともと好きな曲ですが、ここまで素晴らしい曲とは思わなかったですよ。
この曲の奥に埋まってる秘密を、辻井氏が丁寧にいっぱい掘り出して、それを弾いてみせてくれた感じ。

第12番「革命」は、昔から、そして最近でもアンコールでよく弾いてくれて、年を経るごとに素敵な演奏になっていくのを聞かせていただいていたけれど、、、
それにしても、今日の演奏はまた一段とよくて、寒気が止まりません。足の方まで寒気が来る感じ。
最高すぎです。
身体中がしびれているうちに、いつの間にか休憩になっていました。

休憩ってことでトイレに向かったんだけれど、なんだかぼうっとしてしまって、頭が全然働いていないような感じで、気づいたらホールを出てしまっていました。
ぼうっとしすぎか?


というわけで、後半です。

バラード第1番は、「CDと全然違う!」というのは、もうそろそろ書かなくていいかもしれないですが、やっぱり全然違ってました。
格調高い感じ、かなあ。でも分かりやすい感じ。
磨きのかかった王道、みたいな。
その中で、ちょいちょい辻井氏らしい解釈もあって、これはお客さんも満足だろうって思っちゃいます。
曲がおわった途端に、「ブラボー!」の叫びが聞こえてたなあ。。。

バラ―ド第2番は、いろんな種類の辻井氏の音を楽しめて、集中してないともったいないような印象でした。
何度も何度も寒気が来て、私はバラードの中ではこれが一番、好きな演奏だったかも。

バラード第3番は、ちょっと忘れてしまったけれど、ともかくよかったのは間違いないです。

バラード第4番は、、、
ああ、この曲って、悲しいだけの感じに聞こえてたけれど、「とぼけた悲しみ」みたいな感じなのかなあ……?
あまり真面目に弾かない方が、かといって、ふざけてもいないような、なんかそういうバランスの難しいところが、すごくぴったり来ている弾き方でした。
しかも、運命の怖さみたいのも聞こえてくるし。
すごいなあ、、、とただ圧倒される感じ。


さて──またぼうっとしているうちに、アンコールです。
きっとショパンだよね、ノクターンかな? たまには、また8番が聴きたいなあ。。。
と思っていたのですが、20番でした。
これはここのところ、アンコールで頻繁に聞かせていただいているのですが、今まで聴いた中で一番よかったなあ。。。
嘘のようにすごい演奏。。。と思いました。
(ちなみに私はそこまでこの曲好きじゃないんだけど、それでもそう思いました。)

ここで、トークです。
辻井氏は、ショパンが恋人と一緒に過ごした場所で、ショパンが弾いていたピアノを弾いたそうです。
おおお、、、確かいつかは、ラフマニノフの服を着たとか言っていたような。いろいろな機会があるんだなあ、さすが。
「ショパンはこの街で、何を考えて作曲してたんだろうなと思いました」と言っていたけれど、何を考えていたと、辻井氏は思ったのかなあ。。。
その場所の名前にちなんで辻井氏が作曲した、「風の家」がアンコール2曲目でした。

きれいな旋律の曲が、辻井氏の硬い芯の通ったタッチで演奏されて、素敵でした。

3曲目は、リストの「ラ・カンパネラ」
きれいな曲の直後で、私の耳がそのモードになっていたせいかもしれないですが、とにかく出だしがものすごいきれいでした。
これもアンコールでよく弾いてくださるのだけれど、聴くたびに素敵になって、前回聴いたときも本当にすごいと思ったのだけれど、今日はそれ以上に素敵で、とても好きな演奏でした。

辻井氏の今回の演奏は、本当にすごかったです。
2月のコンサートのときも、そういえばそう思ったんでした。
もう今後の、バージョンアップしまくった辻井氏のコンサートでは、帰りがけに「本当にすごかった!!」と思うのが当たり前になっていくのかもしれません。

30日は、東京公演の最終日。
ますます素敵な辻井氏の演奏が、今から楽しみです。
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2/24 辻井伸行×三浦文彰 究極の協奏曲コンサート / オーチャードホール Aプログラム

2016.02.25 Thursday 11:04
12月のコンサートは行かれなかったので、3か月ぶりの辻井氏のコンサートです。
3ヶ月も辻井氏の音を聞かなかったなんて……! ……まあいいか。

そして今日は、三浦文彰氏のヴァイオリンも聞けるということで、楽しみです。
生で聞くのは初めてなのです。

今日の曲目です。

三浦文彰(ヴァイオリン) の部
ベートーヴェン:ロマンス第2番 
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 

辻井伸行(ピアノ) の部
リスト:コンソレーション第3番[ピアノ・ソロ] 
リスト:ラ・カンパネラ[ピアノ・ソロ] 
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番

クリストファー・ウォーレン=グリーン(指揮)
読売日本交響楽団


まず前半。三浦氏の登場です。
1曲目は「ロマンス第2番 」。
「うおっ、さすがに心震える音を出してくる!」と思いましたが、何となくエナメルっぽい感じの、ツルツルした音だったんですよね。
「あっ、これは悪くはないけど、よくある感じ…?」と思いつつ、次の「ヴァイオリン協奏曲」も聞いていたら、、、

なんか2楽章から(1楽章中盤から少しずつかな)音が徐々に変わってきて、何だかクリスタルのような音が聞こえてきました。
これが、彼の持ち味の音なのかなあ。
それと同時に、細かいところがすごく丁寧に響いてきて、「うわー、ピアノもいいけど、ヴァイオリンもやっぱりいいよねー」という幸せ気分になりました。

ここで休憩に入り、「やれやれ、今日もよかったなー」と思いながら立ったのですが。
そういえばこのただでさえ幸せ気分のところへ、さらに、辻井氏の音も聴けるんだった…!
今日はすごいなあ、贅沢な一日だなあ、とか思いつつ、後半に入ります。

コンマスの人と一緒に舞台に入ってきた、辻井氏。
今日も黒のタキシード。
パンツは、縦に一本スエードっぽいラインの入ったオシャレな感じです。
ピアノはいつも通り、スタインウェイです。

1曲目の「コンソレーション第3番」は、去年の3月に聞かせていただいて以来です。
ですが、今日はもう最初の1小節目が出ただけで、
「きょっ……きょっ、きょ今日の辻井氏は、なんかすごいぞ……!!」
と、どもりながら思ってしまったくらい、なんか神がかった音でした。

辻井氏はまたバージョンアップしちゃったのかなあ。
去年の7月にアンコールで「革命」を聞いたときに
「うわっ。今の一番最後に、不思議な響きがあった! これは進化の兆しか!?」
と思ったのと、11月に「皇帝」を聞いたときに、
「なんか風格がすごい。もしかして再バージョンアップした?」
と思ったのはあったのだけれど、ここにいたって確信したって感じです。

もし万が一、辻井氏の出すタイプの音が嫌いと言う人のことも、感動させられるような感じというか。。
音が好きとか、ここの何とかかんとかがどうで、とかじゃなくて、音自体に魔力があって、極端な話、何弾いているかはもはや関係ないかもって感じなのでした。

といいつつ、この「コンソレーション第3番」は、まとまりでいうと、去年の方がまとまってたかもしれないのですが、今日は辻井氏が、「ともかく一番素晴らしいと思う、その感じるままに弾いてみてる」みたいな、そういう攻めてる系で、よかったなあ。。。
あと、この曲は、なんか聖堂にいるような神聖な感じで弾いてくれるのが好きです。

2曲目のラ・カンパネラ」は、辻井氏の演奏をたぶん20回以上聞いていると思うのですが、その中で今日が一番よかったです。
私は実はリストの中では、この曲あまり興味ない感じなんですが(リスト、ごめんなさい)、それでもものすごい惹きつけられました。
この曲好きだったら、あまりのよさに、途中で失神してたと思います。

3曲目は、ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」で、これも何回か聴かせていただいているのですが、やっぱり今まで聞いたどの辻井氏の演奏とも違って、なんというか、一流──いや、超一流感があふれすぎでした。
この曲に限らず、ゾクゾクする感じが止まらなかったです。

で、今までのいろんなコンサートを聞いていて、たまに指揮の方が、辻井氏のいいところが出る前に先へ行ってしまう、みたいなリズムになってしまうことがあったんだけれど、今回のウォーレン=グリーン氏は、丁寧に辻井氏の「辻井リズム」というか、「辻井周波数」を観察して、ますます引き立つように合わせている感じでした。
(去年の11月のミュンヘン・フィルのときの、ゲルギエフ氏の指揮もそうでした。ピアニストへのリスペクトがある感じというか、、、

そして3楽章は特に素晴らしかったです。
胸つまる感じで、ぞくぞくしっぱなしでした。

一年に何度か、本当に忘れられないコンサートがあると思うんです。
うまいとか、どうとかとか関係なく、心に響いて、ホールを出る時に、入ってきたときの自分とは違っちゃったような感じがするコンサート。
今年は早くもそういうのが来ちゃったなあ、と思いました。

それと、これはちょっと何言ってんのと思われるかもですが、3楽章を聴いていて、なぜか2回くらいジャズっぽい感じが入ってるのを感じたかも。
けど、辻井氏はジャズも弾くんですよね。
いろんなことが混ざって、素敵な音ができてるのかなあ。。。

そして、アンコールです。
さすがにジャズではなかったですが、アメリカのガーシュインの「プレリュード第1番」で、なんと三浦氏とのセッションです。
すごく、、、驚くほど合っていて、楽しそうでした。
去年、辻井氏のソロで聴いたときもとてもよくて、また聴きたいと思っていたけれど、まさかセッションで聴けるとは嬉しいです。

ちょっとメモみたいな感想ですが、そんな感じで、とても素敵なコンサートでした。
辻井氏、三浦氏、ありがとうございました。

今夜はBプログラムです。
また感想を書きたいです。
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8/26 辻井伸行《自作&クラシック》オーケストラ・コンサート / サントリーホール

2015.09.20 Sunday 23:40
 感想書くのが、だいぶ遅くなってしまいました。
でも一か月近くたった今でも、まだ辻井氏の音が耳に残っているような気分なので、やっぱり感想書きます。

この日は、辻井氏の自作曲のコンサートでした。
自作曲コンサートを聴くのは、去年の12月以来です。
(っていうか去年は、5月頃に、辻井氏単独の自作曲コンサートをやっていたけれど、今年はやらないのかな?)
自作曲でオーケストラが入るバージョンは、初めて聴くので、ワクワクです。

ピアノはいつも通りスタインウェイ。
さあ始まるぞというところで、黒いタキシードの辻井氏が、指揮者と舞台に入ってきます。
今日の指揮者は女性で、辻井氏が女性と舞台に入ってくるのは初めて見たような感じで、こういうのもいいなあと思うのでした。

今日の曲目です。

【第1部】
辻井伸行:
いま日本は
川のささやき
神様のカルテ
マエストロ!
はやぶさ
ジェニーへのオマージュ
コルトナの朝
「美の巨人たち」オープニングテーマ/エンディング・テーマ

【第2部】
ガーシュウィン:
パリのアメリカ人 [室内オーケストラ版]
ラプソディ・イン・ブルー[ピアノ&室内オーケストラ版]


1曲目の「いま日本は」がはじまると、例によって、辻井氏らしい澄んだ、オーラのある音が流れ出すわけです。
ここ最近の辻井氏らしい、芯の通った輝くような音で、「おお、今日も来てよかった……!」という感じになります。
オーケストラはちょっと抑え目で入ってる感じだったかな。

2曲目は、「川のささやき」。
これは昔から弾いていただいてる曲で、何度か聴いているんだけれど。
今回のこの曲は、「音は進化した辻井氏のオーラをまとった音で、弾き方は以前の弾き方」、みたいな感じ。
しかしそれもまたいいのですよね。

ただ、ちょっと優しすぎたような?
でもオーケストラが優しい感じだから、これでいいのかも?

ここでトークが入りました。
「自作の曲をオーケストラと一緒にお届けするツアーは初めてで、とても楽しみです」とのことです。
私も楽しみです☆
ここから3曲は映画音楽です、とのこと。
「「はやぶさ」は、宇宙に行ったことがないので、作るのに苦労しました」と言っていたけれど、、、
辻井氏の音は宇宙から取り出しているのかってくらい深くて澄んでるから、「あれっ。辻井氏って、宇宙行ったことないんだっけ!?」って感じだよね。

3曲目は「神様のカルテ」。
これは、辻井氏がいいのは当然として、オーケストラがすごくよかった気がします。
編曲も演奏も。
そして辻井氏がすごく楽しそう。

4曲目「マエストロ!」は、最初の音が出た瞬間、「おおっ。これは今までのすべての曲と違う!」と思ったほど、かっこいい弾き方をしてくれてました。
っていうか、この弾き方のスタイルが、辻井氏の最新進化形態?
最初から、もうクラクラです。
3月にベートーヴェンの熱情の二楽章でクラクラになったけれど、あれ系の音でもっといい感じで、心の深い所まで入ってくるんですよね。

5曲目の「はやぶさ」も、「マエストロ!」のかっこいい弾き方のまま、素敵な感じでした。
アレンジもかっこよかったです。
絶対、辻井氏は宇宙行ったことあると確信しました(?)。

ここでまたトークが入ります。
このあとの二曲は、海外で作った曲だそう。

6曲目「ジェニーへのオマージュ」は、しっとりときれいで、特に中盤くらいのアルペジオが、「うっわ、さすがにきれいだなあ」とつくづくうっとりな感じです。

7曲目は「コルトナの朝」。
序盤のアレンジがよくて引き込まれました。

ここでトーク。
第二部でやる「ラプソディ・イン・ブルー」を初めて弾いたのは13年前、中学生のときだそうで、今回はそのとき以来の演奏みたいです。
ますます楽しみになってきます。

そして「美の巨人たち」のオープニングテーマと、エンディング・テーマです。
オープニングテーマはピアノソロ。
一音目から魂こもった音で、軽い音のところも魂がこもってる感じで、とてもよかったです。
進化後の今っぽい感じの音っていうか。
エンディング・テーマでは、オーケストラが入って、ますますいい感じでした。

ここで休憩になりました。

なんだか今日の辻井氏はとても楽しそうだなあって思います。
最初にコンサートに行ったとき、辻井氏は他のピアニストと比べると、力抜けててふわっとしている印象を受けたけれど。
でもやっぱり最近は、昔ほど、無邪気にただ楽しいって感じでもなくなって、たとえばショパンやリストのコンサートで、ずいぶん緊張感を持って気合入れて弾いてくれてたんだなあ、と当たり前なんだけれど思いました。
比較すると今日は、昔みたいに──いや、昔も緊張感持って弾いてたはずなのはもちろんだけれど、やっぱり昔みたいに──今日は無邪気に、ピアノが好きっていうのだけで弾いてるって感じで、こういうコンサートもいいなあって思ったのです。

そして第2部に入ります。

オーケストラが「パリのアメリカ人」を演奏した後、辻井氏が再び登場して、「ラプソディ・イン・ブルー」がはじまります。
やっぱりすごくよかったです。
ただ、辻井氏ファンの私からすると、もっと辻井氏のピアノが前面にでてほしかったなあと。。。
最初からもう、クラリネットじゃなくて、辻井氏のピアノで始めてもよかったんじゃないのかと。。。
──というのはファンだから思うことで(笑)、普通に考えると、アレンジかっこよかったです。
辻井氏のピアノが最初に入ってきたときは、どきっとするような入り方で、さすがに素敵でした。

途中で、「アメリカの1920年代はいい時代だった」みたいなテレビのときに流れるようなというか、ホ長調のきれいなメロディーのところがあると思うんだけれど、その旋律はオーケストラがやりつつ、そこへちょこっと入っていく辻井氏の音がかっこよすぎでした。
たったこれだけで、泣きそうにさせるのはやばいなあと。

ジャズらしい辻井氏の弾き方もまた好きで、今回はますます、これまで以上に素敵でした。
たまにテクニカルなフレーズでクラシック的なタッチが入るのも、なんかまたとてもいい☆
たまに「クラシックを弾く人は、タッチがクラシックだからジャズは弾けない」とか言う人がいるけれど、辻井氏はその辺を、今後ますます乗り越えていく気がするかも。
ジャズバージョンの辻井氏にも期待です。

アンコールの1曲目は、辻井氏のピアノソロで、ガーシュウインの「プレリュード第1番」。
これはもうちょっと聴いていたい感じでした。

ここでトークが入ってから、2曲目は辻井氏の「それでも、生きてゆく」。
これもオーケストラバージョンを聴くのは初めてです。
いつもより、ますますしっとりな感じでした。

何度も言ってしまうけれど、今日の辻井氏はとても楽しそうで、なんかこっちも嬉しい感じでした。

ただ、自作曲のコンサートしか行ったことない方がいるとしたら、クラシックの辻井氏のコンサートも聴いてほしいです。。。
また違った、素敵な魅力を感じるんじゃないかなって。

と書きつつ、明日(9月21日)は辻井氏のモーツァルトのコンサートに行ってきます。
私はモーツァルトはそこまで好きってほどでもないけれど、それでもやっぱり辻井氏ということで、もう楽しみすぎてクラクラです。
またレビューします☆
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