9/2 辻井伸行 音楽と絵画コンサート / 東京芸術劇場 コンサートホール

2016.09.05 Monday 00:26

今日は、1ヶ月ちょっとぶりで辻井氏のピアノが聴けるので、もう昨日から、いや先週からワクワク…。

しかも今日は演奏中に、絵とか写真を見せてくれる企画らしいのです。

どんな感じなのかな?

 

今日の辻井氏は、タキシードの上着なし的な、ラフな感じで現れました。

サスペンダーがオシャレな模様で、靴はちょっとキラキラした感じのやつです。

「あの靴で、あの魔法のようなペダルを……!」

と思っているうちに、演奏が始まりました。

 

前半は自作曲、後半はドビュッシー&ラヴェル&ショパンということで、今日の曲目です。

 

<第1部> 

美の巨人たち オープニング・テーマ  
川のささやき
ロックフェラーの天使の羽
セーヌ川のロンド 
風の家 
ヴェネツィアの風に吹かれて
コルトナの朝
ジェニーへのオマージュ 
美の巨人たち エンディング・テーマ

 

<第2部> 

ドビュッシー: 
2つのアラベスク

月の光

ラヴェル: 
亡き王女のためのパヴァーヌ
水の戯れ

ショパン: 
バラード第1番
英雄ポロネーズ

 

1曲目の「美の巨人たち オープニング・テーマ」の最初から、艶っぽいキラキラとした、辻井氏らしい音が響きわたります。

「自作曲のコンサートのときの辻井氏って、いつも、最初の一秒目から本調子だよね〜」と思いながら聴いているうちに、今日の音の素敵さは、今までにないほどまぶしい。。。と気づきました。

今年行った中で一番好きだった、3月のサントリーホール1日目、そして2月のオーチャード2日目に匹敵する、やばすぎる、金縛りにあっちゃうような音が、普通に響いてきます。

 

うっとりしているうちに、2曲目の「川のささやき」がはじまります。

何回も聴いた曲だけど、別の曲みたいに、音が輝きまくってる…!

「何だろうこれ、…ホールのせい?」と思ったけれど、東京芸術劇場が、サントリーやオーチャードやオペラシティなんかより、飛びぬけて抜群に音響がいいということも、まあ、ないといったら失礼かもしれないけれど、まあ、ない、よね?

とすると、、、?

「そっか…2月のときも、3月のときも、辻井氏の本当に出したかった音はこれだったのかなあ。。」と、思ったり。

 

トークが挟まって、3曲目は「ロックフェラーの天使の羽」。

「ああ、今までの素敵すぎる2曲すら、ウォーミングアップに過ぎなかったんだな」と気がつく感じで、ついに今日の辻井氏の魔法が全開に。

もともとこの曲って、昔は、きれいな儚い系で聞かせてくれてたけれど、全然変わってる…!

オーケストラがやってるのかなと思うくらい、華やかで、厚みがあって、しかもキラキラに輝いている音で、すごすぎ。

今までも、曲によっては辻井氏の音はすごく華やかで、昔の録音でも「スケルツォ2番」とかそうだったけれど、今日は、今までそこまで華やかにも聞こえなかった曲まで、なんかずっと続いてきた歴史ある王宮みたいに、重厚でしかも華やかな感じに聞こえるんだよね。

 

4曲目は、「セーヌ川のロンド 」。

そういえば、去年は、

「昔作った自作曲は、やっぱり弾き方が、辻井氏の進化後の弾き方じゃなくて、昔の弾き方だな〜。でもそれもいい〜」

とかこのブログに書いていたんだけれど、先々月の7月のコンサート「THE PIANIST!」のとき、すでに

「おお! 昔の曲も、今の弾き方と今の音になった!」

と思っていて、、、もう今日も、昔の(少年っぽい)辻井氏の弾き方はまったくなくなっている感じでした。

 

ここで再び、トークが入ります。

今日の演奏があまりにすごすぎて、トークが普通すぎに聞こえます。

「まあ、そりゃ普通だろ?」って感じかもだけれど。

 

5曲目の「風の家 」も、いつもにも増して素敵で、音がとろっとしてる感じ。

6曲目「ヴェネツィアの風に吹かれて」も、7曲目「コルトナの朝」も、芯がしっかりしてるのに繊細な音で、やっぱりすごくきれい。

 

トークを挟んで、8曲目「ジェニーへのオマージュ」。

途中のところのアレンジがいつもと違ったのかな? 今日のが一番素敵だったかも。

9曲目「美の巨人たち エンディング・テーマ」で、前半が終わって、後半にうつります。

 

あれっ。

でもこんなに前半がものすごくよくて、後半もこんなによかったら、観客全員が発狂するよね?

大丈夫だろうか、と心配しながら、後半です。

後半の辻井氏は、タキシードの上着的なのを着用して登場です。

 

最初はドビュッシー、1曲目は「アラベスク1番」です。

これ含む今日のドビュッシーの曲の「夢」以外は、2012〜2013年のツアーで聴かせていただいて以来かもだけれど。

あのときのフワフワしたきれいさや透明感を残しつつ、芯のしっかりした音が響いて、細かい音や余韻まで輝いている感じ。

前にはあまりなかった強さみたいなのが、今日の演奏ではすごい感じれて、癒し系の曲なのに、すごくかっこいいのですよね。

CDの「月の光」に収録されているのはちょっと昔の録音だけれど、この今の録音も欲しいなあ〜。

 

2曲目は「アラベスク2番」です。

今日はピアノの後ろのスクリーンに、ずっと絵や写真が映し出されているんだけれど、辻井氏の演奏に夢中になってて、このときまであまり見ていませんでした…。

この曲のときは、ドガの絵が映されていて、その取り合わせがいい感じ。。。

それでまた辻井氏はこの曲をすごく華やかに弾いてくれて、「おおっ、これこういう曲だったんだな〜」と発見をいくつもさせてくれました。。

 

3曲目は「夢」。

これも3年前の8月に聴いたときや、CDとは違って、とにかく身体が震えるような音なんだよね。

ただの夢じゃなくて、何層にもいろんな夢が重なってるというか、、、

やっぱりオーケストラを聴いてるみたいに厚い感じの音でした。

 

4曲目の「月の光」は、昔の演奏やCDでもとても素敵だったんだけれど、それ以上でした。

ほんの一音でも聞き逃したらもったいない、とか思っちゃうレベル。

しかも解釈がちょっと面白いとこもあったりして、辻井氏らしさも出てて最高です。

 

このあとからラヴェルで、5曲目は「亡き王女のためのパヴァーヌ」。

辻井氏のデビューアルバムに入っている曲だけれど、これを初めて聞いたときの衝撃は忘れられないです。

こんなに心を震わせる演奏があるのかと思いました。

遠くで鳴っているような音と、近くで鳴っているような音と、あとは晴れの音と雨や雷の音まで、全部聞こえるような感じなんだよね。

今日も素敵すぎで、身体中がしびれました。


6曲目の「水の戯れ」も、辻井氏の演奏は大好きで、たまりません。

いい感じで面白い弾き方もしてくれて、好きです。

今日の演奏はかっこいいのと、きれいなのがちょうどよく混じって、それが華やかな感じで結晶してるよね。

 

というところへ、7曲目。

「かっこいい」も「きれい」も、どちらも引き立つ「バラード一番」です。

 

私はこの曲って今までずっと、「別に嫌いでもないけど、そこまで好きでもないよね」くらいの感じだったんですが、辻井氏の3月のサントリーホール1日目の演奏を聴いて、大好きな曲になってしまいました。

(2日目のも王道っぽくてよかったけれど、1日目の演奏の方が私は好きだったかも。。。?)

それで、あらためていろんなピアニストの演奏を聴いてみたんだけれど、普通にどれも素敵と思いつつも、

「いや、やっぱり辻井氏の演奏じゃないとダメかも〜!」

という結論に至り、辻井氏がこの曲で観客にかけてくれる魔法を楽しみに、今日は来たのです。(いや、もちろん全部の曲を楽しみにして来たけどね)

 

……けど、そんな風に期待しすぎると、かえってよくないんじゃないのかな…。

いやいや、そんなこともないよ、期待しようよ……?

と、心の中で葛藤しながら、期待を高めたり低めたりしていると、ステージがなぜかこの曲だけ暗くなり、「おお、やはりこの曲がメインディッシュですか…!」感が。

 

一音目が出たところから、もうクラクラでした。

この曲の「度を外れて素敵だった」加減は、もうどう説明していいのか分からないけれど、すべてがもれなく、素敵すぎでした。

ものすごく細かいところまで作りこんである、神の作品、みたいな印象の演奏。

もともと、見せ場なメロディーがずっと続くような曲だと思うんだけれど、その一つ一つの見せ場が全部、胸をときめかせるような感じで演奏されていくんだよね。

しかも、たっぷり余裕のある感じの演奏。

発狂するくらいかっこよかったです。

っていうか、ちょっと発狂してたかも。

ああ、辻井氏のファンで良かったなー、私は幸せだ、と心から思いました。

 

できればこのまま、バラード二番も、あと四番も聴きたいところです。

 

という感じで、次の「英雄ポロネーズ」が始まっても、「もうバラードよすぎたから、英雄はどうでもいい」くらいに頭がぼーっとしていたのですが、すぐに「うおおっ?」というかっこいい音が。

これも三年前に聴いたときとかは、ところどころで少年っぽい音のところがあったけれど、大人の深みが出て、それがもともとの辻井氏の音の華やかさとか美しさを引き立たせてて、なぜこんなに音が輝いているんだろうというくらい、すごくよかったです。

しかもかっこいいんだよね。

 

で、アンコールです。

かっこいい流れで「革命」が聴きたいけれど、エネルギッシュな曲がつづいたから、静かな曲で来るかな。。。

と思っていたら、アンコール1曲目は、ショパン「ノクターン20番」。

よくアンコールでやってくださる曲ですが、今日の音はいつもより強く魔法がかかっていたのかなあ。

きれいすぎで、もうこのあたりでだんだん、人間が出している音とは思えなくなってきました。。。

 

ここでトークが入りました。

「みなさんが集中して聴いてくださったので、気持ちよく弾けました」

褒めてもらいました(笑)。

昔から、たまに辻井氏、こうして褒めてくれるよね。

東京芸術劇場は、ソロで演奏するのは初めてだそうです。

あと、3日放送の「さんまのまんま」に出演するとのこと。

ここに記事がありました)

他にも2本番組出るらしいけれど、まだお知らせできない、、、と言ってました。。。

 

2曲目は、「真田丸紀行」で、生で聞けて嬉しかったです。

 

3曲目の「ラ・カンパネラ」も、アンコールでよくやってくださる曲で、この曲に興味なかった人(私)でもつい好きになってしまったくらい常にいいのですが、今日のは段違いに素晴らしく、かっこよかったです。

 

辻井氏は、音に、どんな魔法をかけてるのかなあ。。。

それに今日は、辻井氏らしい音とか解釈とかを、遠慮なく追及してる「攻め」の演奏で、そこもすごく好きでした。

ますます辻井氏らしさがいっぱいつまった演奏を聴きたいです。

 

それにしても、私、辻井氏と同じ時代に生まれてよかったなあ。。。

次のコンサートは、11月。

こんな素敵な音が、年に何度も聞けるって、すごいことだよね。

辻井氏、ありがとうございます。

また楽しみにしています。すごく。

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3/28 辻井伸行 日本ツアー《ショパン・リサイタル》 / サントリーホール1日目

2016.03.30 Wednesday 06:03
「今日は、雨の予報だったのに、なぜかいい天気になってる……!」
「ううむ、辻井氏はそういえば、何となく「晴れ男」属性な感じがするよねえ、、、」
とか、わけのわからないことを考えつつ、ワクワクでサントリーホールに向かいました。

今日の辻井氏は、2月と(たぶん)同じ、ちょこっとオシャレ目なタキシード。
ピアノはいつものように、スタインウェイです。
ピアノに座ってから、ずいぶん慎重に、椅子と自分の座る位置を調整していました。
昔はわりとすぐ弾いてたけれど、最近は(オーケストラとの共演のとき以外は)こんな感じみたいですね。

さて、今日は、オール・ショパン。
今日の曲目です。

【3つのワルツ 作品34】
ワルツ第2番 変イ長調 作品34の1
ワルツ第3番 イ短調 作品34の2
ワルツ第4番 ヘ長調 作品34の3

【12のエチュード 作品10】
第1番 ハ長調
第2番 イ短調
第3番 ホ長調「別れの曲」
第4番 嬰ハ短調
第5番 変ト長調「黒鍵」
第6番 変ホ短調
第7番 ハ長調
第8番 ヘ長調
第9番 ヘ短調
第10番 変イ長調
第11番 変ホ長調
第12番 ハ短調「革命」

【4つのバラード】
バラード第1番 ト短調 作品23
バラ―ド第2番 ヘ長調 作品38
バラード第3番 変イ長調 作品47
バラード第4番 ヘ短調 作品52


1曲目は、「ワルツ第2番」。
けど、1曲目はじまってしばらくは、さすがの辻井氏もまだ調子出ないだろうから……
とか思っている暇もなく、もう、最近の辻井氏の演奏の魅力をすべて詰め込んだような、凛としたきれいな音が響きはじめます。
特に、高音の装飾っぽい音が、もう脳を直撃してシビれさせる感じで、最初からクラクラしてきます。

私の偏見かもしれないけれど、辻井氏のピアノソロのツアーの、東京公演の1日目って、今までは、柔らかいフワフワ系で演奏されることが多かった気がするんですよね。
それで、2日目がかっこいい系だったり。

でも今日は、1日目にも関わらず、最初からかっこいい&美しい路線みたいです。
聞いていて、辻井氏はますます大人になったのかな、って気が──
とか思っている間に、2分すぎくらいからかな、いよいよ辻井氏が乗ってきて、もうすごいとしか言いようのない、ますます素敵な演奏になっていきました。

私たちから見えないところ(聞こえない音??)も全部、辻井色にちゃんと塗りこめているような感じで、だからまとまって聞こえて、「ああ、まさにこれは世界レベルの音だなあ……」と思ってしまいました。

2曲目は、「ワルツ第3番」。
第二次進化(私の考えでは去年末くらい)後の辻井氏らしい、緩急の付け方と、リズムの取り方と、周波数(?)で、ありえないくらい気持ちいい感じでした。
かっこいい系でありながら、辻井氏の、夢の中に引き込んでいくようなタイプの音もますます冴え渡って、うっとりとしか言いようがないです。。

3曲目は、「ワルツ第4番」。
これは、CD「ショパン・コンクール 2005~ショパン作品集」で、何度も聴いたからなあ。。。でも当時でなく今の辻井氏の音だと、ちょっと違うかもなあ。。。?
──とかのんきに思っていたら、もう、全然まったく違いました。
音質そのものが違うような感じで、CDのときも素晴らしかったんだけれど、そこからレベルがいくつも上がってしまったような感じでして。
音が、芯の通った輝きみたいなのをまとっていて、キラキラしていて、しかも芯の強い輝きなのです。
すごすぎ。

ワルツが終わったところで、一息つくと、会場の雰囲気が、教会とか大聖堂みたいな雰囲気になってる…!
辻井氏のパワーのせいか!?

そして、エチュードに入る前に、意外にも辻井氏のトークが入ります。

「みなさま今日はお越しいただきまして、ありがとうございます」
いいえ、こちらこそ☆
って、普通のトークか?
「次はショパンのエチュード。(エチュードの説明をしてから)全12曲を、一つの流れで弾きたいと思っています」
おお。。途中で拍手をしてくれるな、という話ですね!
「途中で、……拍手をしてしまいたくなるときもあると思いますが、──」
うふふ。
観客のみなさんも笑っています。
もちろんありますよ☆
「どうしてもしたくなってしまったら、しょうがないですが、できれば──終わってから──」
先生、了解です☆ 我慢します!


という感じで、エチュードがはじまりました。
エチュードも全曲、「感動のショパン~ヴァン・クライバーン・コンクール・ライヴ」で何度も聴いているけれど、それでも今の辻井氏が弾いたら、だいぶ違うんだろうなあ。。。
全然違うピアニストが弾いてるみたいだったりして(笑)

で、第1番がはじまったら・・・
本当に、全然違うピアニストが弾いてるみたい……!!
って、やっぱり緩急みたいなのとか、辻井氏の内側に脈打ってるリズムの拍みたいなのは変わらないんだけど。
音が輝いていて、それが辻井氏の熱っぽいオーラみたいなのを通して、こっちに伝わってくる感じっていうか。
寒気が止まらないわけです。
しかも、「1番からこんなに飛ばして、大丈夫なのかな……」というくらい、激しくて情熱的。
美しすぎで、やばい、早くも拍手しそうです。
この曲は「滝」って名前で呼ぶ人もいて、「これ滝かなあ??」とずっと思っていたけれど、確かに滝です、辻井氏教えてくれてありがとう。。。

第2番は、ちょっとあまり記憶にないんだけど、とにかくほぼすべての曲が、CDのときに比べると何倍も輝いていたのは間違いないです。

第3番 「別れの曲」も、もちろん良くて、、、情緒的なところとか、辻井氏は感情を抑えた感じで表現するんですよね。そこが素敵。
去年の悲愴の2楽章も、そんな感じで弾いてて、やはり素敵だった覚えがあります。

で、「別れの曲」は、2、3年くらい前かな、アンコールでよく弾いてくださいましたけれど、そのときとも全然違う感じでした
テンポがゆっくりで、中盤はますますゆっくりに聞こえて、なんか重厚な感じすらしたなあ。
私はこの曲は、あまりゆっくりな演奏のは、今までは好きじゃなかったけれど、今日を境に、「ゆっくりな方が全然いいよね」って風に変わりました。。。

第4番、これは、辻井氏のCDを聞いて大好きになった曲です。
他のピアニストよりも、ずっとずっとかっこよく弾いていて、、、これも今日は、CDとは違う感じで聞かせてくれるのかな?
と思ったら、これはCDのときとほぼ同じ解釈で弾いている気がしました。すでに完成形だったのか!?
でも今の辻井氏の音だから、もうかっこよさがやばすぎで、ちょっと「影」を思わせるところもあったりして、いいんですよね。
艶っぽい系のかっこいい感じ?
「ほかのお客さんも、みんなやられてしまったに違いない」と思っていたら、曲が終わったあと、拍手をしてしまった人が……!(笑)
だよね〜。分かります。

第5番 「黒鍵」は、私はずっとエチュードの中では好きな曲じゃなかったんですけれど、今日聞いたあとでは、「うわ、これ、素晴らしい曲ですよね?」と普通に思いました。

第6番は、静か系なのだけれど、昔の辻井氏のように、ひたすらきれいに仕上げるのではなくて、、、面白い解釈で弾いてる? と思った気がします。
いろんな濃さの影が見える、みたいな。

第7番は、なぜか涙が出そうになった気が。
これがよかったというよりは、今まで素晴らしさの積み重ねが、ここであふれたという感じかもしれないけれど、なんだか感情をすごく揺さぶるような弾き方だったかも。

第8番も、面白い解釈だと思ったけれど、どう面白かったのかちょっと覚えてないです。。。
ラストがかっこよかったです。

第9番も、心地いい感じで美しかったです。
辻井氏に任せて預けておけば、心地いい世界に行ったままになれる、みたいな謎の信頼が生まれる感じ。
魂の迫力?みたいのを感じる弾き方だったかも。

第10番も、辻井氏の美しい音に、頭も心も預けたまま。

第11番は、もともと好きな曲ですが、ここまで素晴らしい曲とは思わなかったですよ。
この曲の奥に埋まってる秘密を、辻井氏が丁寧にいっぱい掘り出して、それを弾いてみせてくれた感じ。

第12番「革命」は、昔から、そして最近でもアンコールでよく弾いてくれて、年を経るごとに素敵な演奏になっていくのを聞かせていただいていたけれど、、、
それにしても、今日の演奏はまた一段とよくて、寒気が止まりません。足の方まで寒気が来る感じ。
最高すぎです。
身体中がしびれているうちに、いつの間にか休憩になっていました。

休憩ってことでトイレに向かったんだけれど、なんだかぼうっとしてしまって、頭が全然働いていないような感じで、気づいたらホールを出てしまっていました。
ぼうっとしすぎか?


というわけで、後半です。

バラード第1番は、「CDと全然違う!」というのは、もうそろそろ書かなくていいかもしれないですが、やっぱり全然違ってました。
格調高い感じ、かなあ。でも分かりやすい感じ。
磨きのかかった王道、みたいな。
その中で、ちょいちょい辻井氏らしい解釈もあって、これはお客さんも満足だろうって思っちゃいます。
曲がおわった途端に、「ブラボー!」の叫びが聞こえてたなあ。。。

バラ―ド第2番は、いろんな種類の辻井氏の音を楽しめて、集中してないともったいないような印象でした。
何度も何度も寒気が来て、私はバラードの中ではこれが一番、好きな演奏だったかも。

バラード第3番は、ちょっと忘れてしまったけれど、ともかくよかったのは間違いないです。

バラード第4番は、、、
ああ、この曲って、悲しいだけの感じに聞こえてたけれど、「とぼけた悲しみ」みたいな感じなのかなあ……?
あまり真面目に弾かない方が、かといって、ふざけてもいないような、なんかそういうバランスの難しいところが、すごくぴったり来ている弾き方でした。
しかも、運命の怖さみたいのも聞こえてくるし。
すごいなあ、、、とただ圧倒される感じ。


さて──またぼうっとしているうちに、アンコールです。
きっとショパンだよね、ノクターンかな? たまには、また8番が聴きたいなあ。。。
と思っていたのですが、20番でした。
これはここのところ、アンコールで頻繁に聞かせていただいているのですが、今まで聴いた中で一番よかったなあ。。。
嘘のようにすごい演奏。。。と思いました。
(ちなみに私はそこまでこの曲好きじゃないんだけど、それでもそう思いました。)

ここで、トークです。
辻井氏は、ショパンが恋人と一緒に過ごした場所で、ショパンが弾いていたピアノを弾いたそうです。
おおお、、、確かいつかは、ラフマニノフの服を着たとか言っていたような。いろいろな機会があるんだなあ、さすが。
「ショパンはこの街で、何を考えて作曲してたんだろうなと思いました」と言っていたけれど、何を考えていたと、辻井氏は思ったのかなあ。。。
その場所の名前にちなんで辻井氏が作曲した、「風の家」がアンコール2曲目でした。

きれいな旋律の曲が、辻井氏の硬い芯の通ったタッチで演奏されて、素敵でした。

3曲目は、リストの「ラ・カンパネラ」
きれいな曲の直後で、私の耳がそのモードになっていたせいかもしれないですが、とにかく出だしがものすごいきれいでした。
これもアンコールでよく弾いてくださるのだけれど、聴くたびに素敵になって、前回聴いたときも本当にすごいと思ったのだけれど、今日はそれ以上に素敵で、とても好きな演奏でした。

辻井氏の今回の演奏は、本当にすごかったです。
2月のコンサートのときも、そういえばそう思ったんでした。
もう今後の、バージョンアップしまくった辻井氏のコンサートでは、帰りがけに「本当にすごかった!!」と思うのが当たり前になっていくのかもしれません。

30日は、東京公演の最終日。
ますます素敵な辻井氏の演奏が、今から楽しみです。
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2/24 辻井伸行×三浦文彰 究極の協奏曲コンサート / オーチャードホール Aプログラム

2016.02.25 Thursday 11:04
12月のコンサートは行かれなかったので、3か月ぶりの辻井氏のコンサートです。
3ヶ月も辻井氏の音を聞かなかったなんて……! ……まあいいか。

そして今日は、三浦文彰氏のヴァイオリンも聞けるということで、楽しみです。
生で聞くのは初めてなのです。

今日の曲目です。

三浦文彰(ヴァイオリン) の部
ベートーヴェン:ロマンス第2番 
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 

辻井伸行(ピアノ) の部
リスト:コンソレーション第3番[ピアノ・ソロ] 
リスト:ラ・カンパネラ[ピアノ・ソロ] 
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番

クリストファー・ウォーレン=グリーン(指揮)
読売日本交響楽団


まず前半。三浦氏の登場です。
1曲目は「ロマンス第2番 」。
「うおっ、さすがに心震える音を出してくる!」と思いましたが、何となくエナメルっぽい感じの、ツルツルした音だったんですよね。
「あっ、これは悪くはないけど、よくある感じ…?」と思いつつ、次の「ヴァイオリン協奏曲」も聞いていたら、、、

なんか2楽章から(1楽章中盤から少しずつかな)音が徐々に変わってきて、何だかクリスタルのような音が聞こえてきました。
これが、彼の持ち味の音なのかなあ。
それと同時に、細かいところがすごく丁寧に響いてきて、「うわー、ピアノもいいけど、ヴァイオリンもやっぱりいいよねー」という幸せ気分になりました。

ここで休憩に入り、「やれやれ、今日もよかったなー」と思いながら立ったのですが。
そういえばこのただでさえ幸せ気分のところへ、さらに、辻井氏の音も聴けるんだった…!
今日はすごいなあ、贅沢な一日だなあ、とか思いつつ、後半に入ります。

コンマスの人と一緒に舞台に入ってきた、辻井氏。
今日も黒のタキシード。
パンツは、縦に一本スエードっぽいラインの入ったオシャレな感じです。
ピアノはいつも通り、スタインウェイです。

1曲目の「コンソレーション第3番」は、去年の3月に聞かせていただいて以来です。
ですが、今日はもう最初の1小節目が出ただけで、
「きょっ……きょっ、きょ今日の辻井氏は、なんかすごいぞ……!!」
と、どもりながら思ってしまったくらい、なんか神がかった音でした。

辻井氏はまたバージョンアップしちゃったのかなあ。
去年の7月にアンコールで「革命」を聞いたときに
「うわっ。今の一番最後に、不思議な響きがあった! これは進化の兆しか!?」
と思ったのと、11月に「皇帝」を聞いたときに、
「なんか風格がすごい。もしかして再バージョンアップした?」
と思ったのはあったのだけれど、ここにいたって確信したって感じです。

もし万が一、辻井氏の出すタイプの音が嫌いと言う人のことも、感動させられるような感じというか。。
音が好きとか、ここの何とかかんとかがどうで、とかじゃなくて、音自体に魔力があって、極端な話、何弾いているかはもはや関係ないかもって感じなのでした。

といいつつ、この「コンソレーション第3番」は、まとまりでいうと、去年の方がまとまってたかもしれないのですが、今日は辻井氏が、「ともかく一番素晴らしいと思う、その感じるままに弾いてみてる」みたいな、そういう攻めてる系で、よかったなあ。。。
あと、この曲は、なんか聖堂にいるような神聖な感じで弾いてくれるのが好きです。

2曲目のラ・カンパネラ」は、辻井氏の演奏をたぶん20回以上聞いていると思うのですが、その中で今日が一番よかったです。
私は実はリストの中では、この曲あまり興味ない感じなんですが(リスト、ごめんなさい)、それでもものすごい惹きつけられました。
この曲好きだったら、あまりのよさに、途中で失神してたと思います。

3曲目は、ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」で、これも何回か聴かせていただいているのですが、やっぱり今まで聞いたどの辻井氏の演奏とも違って、なんというか、一流──いや、超一流感があふれすぎでした。
この曲に限らず、ゾクゾクする感じが止まらなかったです。

で、今までのいろんなコンサートを聞いていて、たまに指揮の方が、辻井氏のいいところが出る前に先へ行ってしまう、みたいなリズムになってしまうことがあったんだけれど、今回のウォーレン=グリーン氏は、丁寧に辻井氏の「辻井リズム」というか、「辻井周波数」を観察して、ますます引き立つように合わせている感じでした。
(去年の11月のミュンヘン・フィルのときの、ゲルギエフ氏の指揮もそうでした。ピアニストへのリスペクトがある感じというか、、、

そして3楽章は特に素晴らしかったです。
胸つまる感じで、ぞくぞくしっぱなしでした。

一年に何度か、本当に忘れられないコンサートがあると思うんです。
うまいとか、どうとかとか関係なく、心に響いて、ホールを出る時に、入ってきたときの自分とは違っちゃったような感じがするコンサート。
今年は早くもそういうのが来ちゃったなあ、と思いました。

それと、これはちょっと何言ってんのと思われるかもですが、3楽章を聴いていて、なぜか2回くらいジャズっぽい感じが入ってるのを感じたかも。
けど、辻井氏はジャズも弾くんですよね。
いろんなことが混ざって、素敵な音ができてるのかなあ。。。

そして、アンコールです。
さすがにジャズではなかったですが、アメリカのガーシュインの「プレリュード第1番」で、なんと三浦氏とのセッションです。
すごく、、、驚くほど合っていて、楽しそうでした。
去年、辻井氏のソロで聴いたときもとてもよくて、また聴きたいと思っていたけれど、まさかセッションで聴けるとは嬉しいです。

ちょっとメモみたいな感想ですが、そんな感じで、とても素敵なコンサートでした。
辻井氏、三浦氏、ありがとうございました。

今夜はBプログラムです。
また感想を書きたいです。
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